「さばく」とは?
夏休みの民宿で、親子が楽しく朝食をとっている時、次のような会話が耳に入りました。
お父さんが子どもに、「鯵の開きをさばいてあげようか?」と声をかけると、お母さんが「さばくは違わない? 」と返しました。この会話はそこで終わりましたが、私も「さばく」という言葉に違和感を覚えました。
この会話から、「さばく」と、普段私が使う「おろす」という言葉の違いが気になり、調べてみました。
辞書を調べると「さばく(捌く)」は「おろす (卸すまたは下ろす)」と同義であり、魚や鳥を切り分けることを指すとされていました。さらに、魚の場合は種類や用途によって、二枚、三枚、五枚に切り分けることと記載されていました。
しかし、「さばく」と「おろす」が本当に同じ意味なのか疑問に感じ、さらに調べてみると、「さばく」という言葉は、魚を料理するための全体的な処理で、うろこや内臓などを取り除き、頭や尾を切り落とし、そして刺身にするための三枚おろしなど、身を切り分ける作業とありました。「おろす」は「さばく」作業の一部で、魚の身を骨から取り除き、二枚、三枚、五枚おろしに切り分けることとありました。
つまり、「さばく」は魚を処理する全般的な作業の事であり、「おろす」は料理に合わせた具体的な切り分け作業のことです。
鯵の開きの場合は、お母さんの指摘通り、「さばく」ではなく、「骨を取ってあげようか?」や「身をほぐしてあげようか?」だったと思います。