地域に根付く日本の醤油

醤油は、食欲をそそる香りと素材のうま味を引き立て、日本人の食卓には欠かせない万能調味料です。醤油の発祥は中国や東南アジアですが、日本に伝わってからは、原料や製法、地域の食文化に合わせて独自の発展を遂げてきました。現在では、地域ごとに特徴的な醤油が作られています。
日本各地のおもな醤油
関東(千葉・東京など)【濃口醤油】
日本で最も一般的な醤油で、色が濃い赤褐色。醤油独特の香りが強く、煮物、焼き物、刺身のつけ醤油、麺つゆなどに幅広く使われています。
関西(京都・大阪・兵庫)【淡口醤油】
濃口醤油より色が薄く、塩分は濃口より高めで、香りは控えめです。吸い物、だし巻き卵、京料理など、食材の色や風味を生かした料理に合います。
中部(愛知・三重・岐阜)【溜醤油】
色は黒っぽく、とろみがあり、旨味が強いのが特徴です。刺身、寿司、照り焼きなどに合います。
中国地方(山口など)【再仕込み醤油】
仕込み水の代わりに醤油で仕込みます。濃口醤油より色が濃く、甘味とコクが非常に強く、刺身や冷奴などに合います。
九州(福岡・佐賀・熊本など)【甘口醤油】
砂糖や甘味料入りのものが多く、色は濃く、甘味がはっきりしているのが特徴です。刺身、馬刺し、煮物などに合います。
なぜ九州は甘口なのでしょうか。理由として、温暖な気候のため保存のために塩を強くせず、甘味で味を補った説や、江戸時代に琉球・長崎経由で砂糖が入りやすかったこと、刺身の旨味を引き立てるため甘味のある醤油が好まれたことなどが挙げられています。
当たり前のように毎日使っている醤油ですが、故郷の醤油が懐かしく思われたり、たまにはいつもと違う醤油で、地域の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

