五色の色
初詣に出かけた方も多いと思います。神社やお寺は、きれいな五色の幕で飾られ、仏像が持つ縄状の道具である羂索(けんさく)などにも、青(緑)・赤・黄・白・黒(紫)が使われており、とても印象的です。この五色は森羅万象を表し、それが揃うことで魔除けになると考えられています。
この五色は、「五行思想」という古代中国の思想に基づいています。この思想では、自然界の5つの要素を人間の体や健康に結びつけており、季節ごとに摂るべき食べ物や味覚にも対応しています。
・青(緑): 木、肝、春、酸味
芽吹く力のある食べ物などを摂る。
例:緑の濃い野菜、米酢、キウイ、レモンなど
・赤:火、心、夏、苦味
葉野菜や苦味のある食べ物などを摂る。
例:アスパラガス、ゴーヤ、セロリ、キュウリ、にら、緑茶など
・黄:土、脾、土用、甘味
黄色の自然な甘味のある食べ物などを摂る。
例:穀類、豆類、豚肉、にんじん、かぼちゃ、ハチミツ、砂糖など
・白:金、肺、秋、辛味
白色の辛い根菜類などを摂る。
例:大根、れんこん、ねぎ、かぶ、唐辛子、にんにく、生姜など
・黒:水、腎、冬、鹹味(かんみ:塩辛い味)
黒い食品や乾物などを摂る。
例:あさり、昆布、みそ、黒豆、黒ごま、ごぼう、塩など
五色の食べ物は東洋医学や薬膳でも重視されています。こうした考え方は、食べ物に関する言い伝えや、日本の伝統的な食文化にも影響を与えています。
今年の冬は、さまざまな食材をバランスよく取り入れた食事で、寒さを乗り切りましょう。